トークショーレポート 4/8(土) 原一男さん

  • 2017.04.10 Monday
  • 21:23

『まなぶ』公開中最後の週末となった4月8日(土)。満開となった桜にあいにくの冷たい雨が降りそそぐ中、劇場には朝早くからたくさんの方々が足を運んでくださいました。週末ということもあって、会場には10代〜30代らしき若いお客さんの姿も目立つなど、これまで以上に活気のある雰囲気に。10:30の回上映後、映画監督の原一男さん(『ゆきゆきて、神軍』『全身小説家』)をゲストに迎えて太田直子監督とともにトークショーがおこなわれました。

 

会場いっぱいの大きな拍手に迎えられ、客席から登壇した原監督。制作に10年(!)かかったという最新作『ニッポン国VS泉南石綿村』(http://docudocu.jp/)が完成し、先日関係者試写をおこなったばかりだという原監督は、はじめに太田監督より映画の感想を求められて「『ニッポン国〜』には、大阪・泉南のアスベストで被害を受けた方々が登場するが、その中にも、教育を受けておらず夜間中学に通ってあいうえおから学び、自分の名前を初めて書いたという方がいた。その方と同じなんだなということ、そして全国にはそういう方たちがまだたくさんいらっしゃるんだということを強く思いました」と、ご自身の作品を通じて出会った方々のエピソードを交えながら感想を述べてくださいました。太田監督が「私自身、実はこれまでこういった方々がいることを知りませんでした」と告白すると、原監督も「自分たちのまわりに、学校に行っていない人がいるということに、日常ではなかなか気が付かない」と続け、さらに生徒さんの中に在日の方はいたのか、またどのような方が入学資格を持つのかということについて、太田監督に次々と鋭い質問を投げかけました。

 

入学規定があるため、望んでも全員が通信制中学に入学できるわけではないと知って驚いた様子の原監督。太田監督が「実はETV特集で放送された後、“うちの子も行かせたい”という問い合わせがたくさんあったんです」と語ると、「教育の機会を望む若い人がたくさんいるんだね」と、何らかの事情で学校に通えない人々に心を寄せていらっしゃいました。

 

さらに、繊細な問題なので…と丁寧に言葉を選びながら、「『まなぶ』の中で、登場する方が“やむをえなかった”という言葉で人生を語られていたが、自分は、なぜ彼らが、そのような境遇の中で生きざるを得なかったのか?と考えてしまう。すると、政治が悪いからだ、という答えになる。であるならば、政治をしている人たちに対してもっと怒っていいんじゃないか?と思ったが、彼らは自分を責めている。そのことについて、太田さんはどう思う?」と率直な問いを投げかけた原監督。これに対して太田監督は「まず、自分がどういう権利を持っているのか、どういう権利を奪われたのかということが、教育がないと分からない。映画に登場する宮城さんも、それまでは自分の境遇を主観的にしか見れなかったが、教育を受けることによって、見方が変わっていったんです」と語り、それを受けた原監督は、「下層の人が上に上がることは不可能に近く、越えられない壁がある。そのおかしさ、この国のおかしさに対して、どうにかしなきゃと思う」と熱い思いを語りました。

 

椅子に座る時間も惜しむほどトークが白熱し、あっという間に時間が過ぎてしまった中、最後に「小さな人たちの声を届ける」という自分たちの使命について確認しあったお二人に、会場からも熱のこもった拍手が送られました。

ご来場いただいた皆様、どうもありがとうございました!

 

▽映画『まなぶ 通信制中学 60年の空白を越えて』新宿K’s cinemaにて4/14(金)まで上映中!連日10:30〜
http://www.film-manabu.com/

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