【トークショーレポート4/7(金) 金平茂紀さん】

  • 2017.04.10 Monday
  • 21:12

昨日のトークゲストは、ジャーナリストでもあり、『報道特集』のニュースキャスターでもある金平茂紀さんでした。

 

「この映画は、学び舎にいるお年寄りたちがこれまでの人生で背負ってきたものを表している戦中戦後史であり、普遍的な人間の尊厳を感じた。テレビやラジオ、新聞はこういうものをちゃんと伝えなければならない。出していけば伝わるものだと思うし、伝えなければならないものだと思う」と、ジャーナリストの観点から熱いメッセージをいただきました。

また、最近の森友学園問題や、道徳の授業が教科化されたニュースを交え、現在の日本の教育や道徳についても思いのたけを語っていただきました。

 

続けて、太田監督より、
「映画に出てきた宮城さんは、子供の頃は農作業をせねばならず勉強する時間もあまりなく、惨めな生活だった、と嘆いていた。でも学校の授業で、アフリカで飢餓等で亡くなる子供たちの現実を知り、自分よりもっと大変な人がいる事を知った」
学校とは、これから生きていく上で自分の人生を相対化出来る力がある、学校とは本来こういう場所ではないだろうか?と自身も制作をしながら学ばせてもらった、と語りました。

 

この映画には、年上の者が年下の者に教える、という我々のよく知る図式は成立しません。
金平さんはこの事にも触れられ、「年上の者が年下の者に教えるという、ある意味、権力・権威関係だが、この映画に出てくる学校ではそうなっていない。教える方は教えられる方よりも年下だから。ここでは、先生と生徒が一緒に答えを見つけていく、という関係が出来ている。これこそ、学校という場の原点だと思う」

 

「学校とは?教育とは?」に話が集中した二人の熱いトークショー。まだまだ聞き入っていたいところでした。
映画を観終えたお客様の一人一人が、うなづきながら熱心に聞いていた姿がとても印象的でした。

お越しいただいた皆様、どうもありがとうございました!


また、突然のゲスト決定にも関わらずご協力いただいた劇場スタッフの皆様、本当にありがとうございました!

 

▽映画『まなぶ』は新宿K's cinemaにて4/14(金)まで連日10:30より上映中です。ぜひ劇場に足をお運びください。
http://www.film-manabu.com/

トークショーレポート 4/2(日) 仁藤夢乃さん

  • 2017.04.04 Tuesday
  • 23:46

昨日までの寒さも和らぎ、春らしい陽気に包まれた本日4月2日(土)。昨日に続き多くの方々に足を運んでいただき熱気あふれる会場にて、『まなぶ』10:30の回上映終了後、女子中高生を支援する団体Colabo(https://www.colabo-official.net/)の代表である仁藤夢乃さんをゲストに迎え、太田直子監督とのトークショーがおこなわれました。

 

映画を観終えたばかりで涙をぬぐっている方も客席に多くいらっしゃる中、大きな拍手に迎えられ登壇した仁藤さんと太田監督。(実はお二人は、仁藤さんが10代の頃からの知り合いでもあります。)はじめに映画の感想を求められた仁藤さんは、「私自身高校を中退したこともあり、登場する方々にとても共感を覚えました。とくに共感したのは宮城さんですが、学生服を着て映画館に行ったり、同級生を見かけて思わず隠れたというエピソードには、自分もまったく同じ経験をした!と驚きました。世代は離れているけれど、自分や今の子どもたちに重なる部分がたくさんあった」と、ご自身の経験を交えて語ってくださいました。

 

続けて、義務教育を受けていないことによる影響の大きさについて太田監督が触れると、仁藤さんも「無戸籍やいじめ、親からの虐待など背景はさまざまですが、私が出会う子どもたちの中には、九九ができない子もいる。そういった子は、たとえばコンビニでバイトをしても、当たり前のことを知らない!と怒られることが多く、なかなか長続きしない」と、今の子どもたちが抱える問題について、自己責任ではなく社会全体で考えていくことの大切さを訴えました。

 

また、仁藤さんがもっとも共感したという宮城さんについて、太田監督が「宮城さんはご自身の経験を恥じていて、最初は撮影させてくれなかった。三年になってようやく撮影させてくれたんです」と明かすと、仁藤さんは「暴力や引きこもりの経験を語った出演者のみなさんに、映画に出てくれてありがとう、と言いたい。私自身、暴力のある家庭に育ったため、(妻に暴力をふるっていたという)宮城さんを最初に見たときには、“何このおじさん!?”と思いましたが、彼もまた、暴力のある環境に生きてきたんだな、と。変わっていく力を尊敬します」と、いま荒れている環境の中にいる子どもも、日常的な学びの場で変わっていく可能性への期待を語りました。

 

最後に、先日文庫化された仁藤さんの著書「難民高校生:絶望社会を生き抜く「私たち」のリアル」(http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480434210/)を太田監督が会場の皆さんに紹介すると、「17歳の時には、作文の宿題を出されても何を書いたらいいかわからず、一言しか書けなかった私が…」と苦笑しながらも、「私自身、自分の意見を話してもいいんだ、自分の意見は尊重されるんだ、ということを積み重ねてきた。そういった一つ一つのことが大切なんだと思います」と語った仁藤さん。劇場パンフレットに掲載されている宮城さんたちの卒業文集にも「心が震えました」と熱く語ってくださいました。

 

ご自身、そして支援する女の子たちの経験の過酷さにもかかわらず、仁藤さんの明るく、飾らない語り口に会場全体が魅了され、あっという間の15分間でした。

(仁藤さんは、パンフレットにも「大丈夫。いくつになっても、やり直せるんだ。〜まなびがもつ力〜」と題した素晴らしい文章を寄せてくださっています!)

 

ご来場いただいた皆様、どうもありがとうございました。

 

▽映画『まなぶ』は、新宿K's cinemaにて4/14(金)まで連日10:30より上映中!
http://www.film-manabu.com/

トークショーレポート 4/1(土) 見城慶和さん

  • 2017.04.04 Tuesday
  • 23:43

『まなぶ』公開二週目となる本日4/1(土)。朝から小雨が降りしきる中、映画サービスデーということもあって、公開初日を上回る多くの方々が劇場に足を運んでくださいました。


10:30の回上映後には、元夜間中学の先生であり、山田洋次監督の名作『学校』の主人公のモデルとなった見城慶和さんをゲストに迎え、太田直子監督とともにトークショーをおこないました。

 

会場いっぱいの大きな拍手に包まれて登壇した見城さんと太田監督。嘱託の期間も含めると計42年間(!)夜間中学で教鞭をとってこられたという見城さんは、映画をご覧になった感想を「本当に心を打たれました」と述べ、「とくに、峯永さんの“知らないことだらけということに気付いた”という言葉が印象的でした」としみじみと語られました。

 

実は、映画に登場する宮城正吉さんは、見城さんの元教え子だったそう。「宮城さんとは、一年間一緒に国語を勉強したのですが、三年生の時に仕事の残業のため登校できなくなり、夜間中学を去ることになってしまった。そこで、通信制中学というものもあるよ、と私が彼に薦めたのです。その宮城さんが嬉々として学んでいる姿を映画で観ることができて、嬉しかった。学ぶことは、こんなにも人を輝かせるのかと」と、スクリーンを通じて再会したかつての教え子への思いを表現されました。フランスの詩人ルイ・アラゴンの「教えるとは未来を共に語ること 学ぶとは胸に真実を刻むこと」という言葉を引用しながら、「ここには、学びを求め、楽しむ本物の生徒がいる。先生たちも素晴らしい。生徒と先生が共に、楽しい授業を作り出している」と、豊かな言葉で映画を語ってくださいました。

 

「その反面、やはり若い時に学んでいなければ、という面もある。この映画をぜひ若い人にも観てほしい」と訴えた太田監督に、見城さんも「夜間中学で教えていた当時も、この方たちがもっと若い時に学べていれば、と思わずにはいられなかった」と同意し、
現行の6・3制がスタートした後に、なぜ義務教育を受けられない子供が多数存在したのか(集計できただけでも、昭和24年度で72万人の子どもたちが長欠=義務教育を受けられていなかった)、その事実を文部省(当時)が隠した理由などについて丁寧に解説してくださいました。

 

最後に、昨年12月に成立した義務教育確保法にふれ、「夜間中学も通信制も、これからが勝負」と熱く語られた見城さん。時間が足りなくなるほどの濃い内容、そして静かなたたずまいの中にも宮城さんや子どもたちへの愛情がにじみでる人柄に、会場全体が魅了されたトークショーとなりました。

 

お越しいただいた皆様、どうもありがとうございました!

 

▽映画『まなぶ』は新宿K's cinemaにて4/14(金)まで連日10:30より上映中!

トークショーレポート 3/31(金) 関本保孝さん

  • 2017.04.01 Saturday
  • 15:36

今年度最後の日となる本日3/31(金)、36年間夜間中学で教鞭をとられてきた関本保孝さん(基礎教育保障学会事務局長)をゲストに迎え、10:30の上映終了後、太田直子監督とともにトークショーをおこないました。

 

映画を観るのは今日で三回目だという関本さんですが、「今日がいちばんグッときた」とのこと。「いちばんグッときたのは、(主要な登場人物である)5人の生きざま。言葉が多くない分、胸に迫りました」と最初に感想を述べてくださいました。

 

義務教育確保法成立(昨年12月成立)のため尽力した立役者である関本さんは、「年齢や国籍にかかわらず、未修了者は義務教育を受ける権利がある。しかし現時点では、通信制中学に入ることができるのは国民学校初等科または尋常小学校を修了した人だけ」と、制度にまだ不十分な点があることを指摘し、今後「年齢制限が撤廃されること、そして通信制中学が、夜間中学を補完するものとして、全国に作られること」の重要さを語りました。(義務教育確保法については、劇場販売パンフレットに関本さんが詳しく書いてくださっています!)

 

太田監督も、「介護やご自身の体調などにより、夜間中学に通うことが難しい人を救うためにも、通信制中学が大事」と続け、東京だけではなく地方にも「学び」から取り残された人たちがまだまだ多く存在している可能性に触れました。

 

映画の中で、生徒の一人である宮城正吉さんが語った「どうにもならなかった」という言葉について、「どうにもならなかった、という言葉の裏に重さがある。人間らしく生きるうえで、教育はすべての人権の中でも中心になるもの」と関本さんが語ると、太田監督も「もっと早く学校にたどり着いていたら、彼らには別の人生の可能性があった」と無念さをにじませ、通信制中学や夜間中学などの学びの場が、全国津々浦々に広がることへの期待を語り合いました。

 

20分間があっという間に感じられるほど濃い内容になったトークショー。お越しいただいた皆様、どうもありがとうございました!

 

映画『まなぶ』は新宿K's cinemaにて4/14(金)まで連日10:30より上映中です!
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3/30 監督舞台挨拶!

  • 2017.04.01 Saturday
  • 15:33

お花見日和の昨日3月30日(木)、10:30の回上映終了後に、太田監督による舞台挨拶をおこないました。

 

今回の映画を撮影するきっかけとなった通信制中学との出会いについて語った後、監督自身がもっとも驚いたこととして、映画に登場する生徒さんの一人が、これまで人生で一度も学校に行ったことがなかったことを挙げた太田監督。

 

義務教育の大切さを親が認識することの重要性、そして映画には「人生はいつでもやり直せる」という前向きなメッセージがこめられているが、同時に、失われた空白ゆえに「取り返せないものがある」という厳しい現実が存在することについても、柔らかな口調で会場に皆さんに語りかけました。

 

舞台挨拶終了後のロビーは、映画の感想を直接監督に伝えようとしてくださる方々で大賑わいに。アンケートを熱心に記入してくださった方、また、周りに宣伝します!とたくさん何枚もチラシを持って帰ってくださる方もいらっしゃいました。
お越しいただいた皆様、どうもありがとうございました。

 

▽映画『まなぶ』は新宿K's cinemaにて4/14(金)まで連日10:30より上映中!
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